トラブル対応は最大のプレセールスである。

もちろん、自分でトラブルを起こしたらダメですがね。

SE経験則として、お客様が「困っていること」の解決を全力で支援することが出来れば、それだけで9割は、何か発注してもらえます。
金額の大小は別として、それが実際に解決できなかったとしても。

そう考えると、テレアポで飛び込み、商品紹介を繰り返すような営業よりも、火を見つけたら飛び込む方が、よっぽど効率的だったりします。
かといって、燃えていることを望んではいけませんが…トラブルが無いのが一番です。なにごとも。

さて、そんな飛び込みトラブル対応の心構えとして4点+1点を。

1.まずは正確に情報収集する。

トラブルを抱えているお客様は、だいたいテンパっていて正確に情報が把握できていません。急いているところ申し訳ないと言いつつ、まずは正確に・改めて情報収集しましょう。

例えばメール関連だったらnslookup, traceroute, whois, ヘッダ情報など、
実通信に影響を与えないところから、自分の目で情報を、改めて収集することが大事です。

2.何かを試す時は現用システムや通信に影響のないところから。

経験値が高くなればなるほど、1の確認で「あ、これかな?」と想定出来るケースは多くなります。
ただ、これは95%以上の確証が無い限り、解決策を取らないほうが良いということ。だいたい、5%に足元を救われます。で、被害を大きくしちゃったりします。

まずは、情報収集した内容の確証を取れるようなダミー通信を行うなど、
出来る限り実通信に影響の無いように。

3.解析などを行う場合は、測定器や端末がお客様ネットワークに影響を与えない構成で。

結構よくあるのが、ウイルスや攻撃などを受けているトラブルの際に、十分な対策を取っていない端末をつなげてしまい、更に被害を拡大するというケース。
冗談みたいな話ですが結構ありますコレ。

対策ですが、例えばネットワークの解析をする場合は、必ずミラーポートを切っておいて、キャプチャする端末から発信されるパケットがお客様ネットワークに影響を与えないようにするなど。
神経質なくらい意識しておかないと、プレセールスどころか出入り禁止になります。

4.お客様の端末やサーバの設定は、お客様自身で。

解析の結果で、あるアプリケーションが暴走していることが判りました。
その解決方法もメーカURLに書いてあります。アンインストールと再インストールでokと。簡単簡単

…例えばそんなケースでも、絶対に自分でやってはいけません。
アンインストールした結果、他が全く動かなくなるというケース、あり得ます。
端末やサーバは、明確な契約ができない場合は触らない。コレはトラブル対応の鉄則です。

p.s.本来はお金がかかる作業であることを念押しておく。

解決した場合、助かったと感謝されるケースが多いでしょう。

ほとんど感謝されることの無いエンジニアにとって最大の喜びの場面ではありますが、喜びだけでは食っていけません。

その時はプレセールスとして無償で実施することになったとしても、
「今回だけですよ」「本当は**万はかかる作業ですからね!」
と、次からはプロとしてお金を頂くと宣言することが大事です。

普段は、お金を払ったんだからちゃんとしてくれ!というお客様の心理の逆で、ちゃんとしたんだからお金を払って下さいと、予め伝えておくこと。
この「ちゃんとしている」部分がトラブル解決で実証出来ているのは、今後の交渉で有利になります。

上記をしっかり行うためには、知識や経験を身につけておくことが大事ではありますが、
「お客様が困っているのを何とかしたいんです!」
という想いが一番大事です。
コレが伝えられれば、上記手順における多少のミスや失言も、許されたりするもんです。

結局、トラブル対応は人です。技術が全てと思った時点で終わりですね。

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