60代以上を意識したオリエンタルランドの戦略が流石。

先日2/24に発表された、ディズニーランドを運営するオリエンタルランドの株式分割。
http://www.olc.co.jp/news/olcgroup/20150224_03.pdf

人気とはいえ過熱感のあった株価で、分割はある程度予想できたものの、
この内容が非常に戦略的で、いやいや流石、オリエンタルランド。

・まずはきっちりNISA利用者を呼び込める株価に。

2/26時点の終値、3,161,000円 を4分割 = 790,250円。
これから上昇したとしても、4/1からNISA利用者の投資を呼び込むには十分。
おそらく、証券会社も”NISA銘柄”として積極的に売り込むでしょう。

・NISA利用者にも新たに株主優待を設定。

1年にたった1枚、だけれども、ゼロではないという絶妙なバランス。
この「1枚」は、複数名利用を呼び込むための呼び水になるわけで。
しかも長期保有となれば、少額株主でも平等に優待を受けられるという仕組みが絶妙。

・株主優待を最大までもらえる金額を低減。

31,610円 x 3,000株 = 約9.5億円 が必要だったところを、
7,902.5円 x 2,400株 = 1896.6万円 と大幅に低減。

これならば、退職金で買っている人なども十分手が届く範囲に。

まさに上から下まで、抜け目のない個人安定株主強化戦略。

そもそもNISA利用者=60代以上が半分以上というのは言うまでもなく、
若い世代のほとんどが、投資に回す富がないのは明確な事実。
https://www.nissay.co.jp/enjoy/keizai/49.html

そういった中、今後の設備投資に向けて資金調達をしやすくするため、
安定株主を増やすという目的が明確に伝わる戦略。

…そうそう、60代以降を明確に意識していると感じる一文は、株主優待Q&Aの中。

「ただし、遺産相続などで株主番号が変更になった場合は、配布の対象にならないことがあります。」

なんとも、流石。

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