「光の道」に関するパブリックコメント考察

「光の道」に関するパブリックコメント、
時間が取れたので、個人向けの一部を含めて目を通してみました。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban02_01000001.html

全世帯に光ケーブルを!という考え方については、
個人・企業ともに賛否両論あるようで、おそらく総務省も想定の範囲でしょう。
これは是非、オープンに議論が進む事を期待したいところです。

ただ、NTTグループの構造分離という点については、
個人は「反対」、すなわちNTTグループは一体でサービスを提供してほしい。
企業は「賛成」、すなわちNTTグループは適切に分離されるべき。
明確に意見が分かれている感を受けました。
※もちろん、NTTグループだけは分離に「反対」ですが…

確かに、自分が一個人の視点に短期的に見たとすれば、
NTTグループが一体になって、携帯や回線・プロバイダが提供されたら嬉しいかもしれません。

ですが、長期的な視点で見ると、
圧倒的な規模・資産を持つNTTグループによる独占が進み、
競合他社の排除から、料金の高止まり・値上げが進むことになるのではないでしょうか?

個人的な意見としては、
・全世帯に光ケーブルを! → NTT, KDDI, SoftBank等、各社が情報をOpenにして議論する
・NTTグループの構造分離 → 正当な競争を促進するためにも、構造分離を行い、その後は政府が介入しない
という形が望ましいと考えています。

NTT, KDDI, SoftBank が同じ場に集まって議論することが出来たなら非常に興味深いですが、
どうしてもプレゼン巧者のSoftBank(孫社長)の主張が強くなってしまう可能性がありそうです。
この辺りを、NTTは「空中戦」と表現しているのかも知れませんが、
かといって情報を開示せず、一切をOpenにしないまま他社を批判するのはいかがなものか?と感じますね。

一部を、
■エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
http://www.soumu.go.jp/main_content/000078235.pdf
より引用させて頂くと、

「NTTの機能分離、構造分離は、
技術中立性を欠くばかりでなく、
設備競争の前提となる投資インセンティブを減少させ、
技術革新やユーザニーズへの弾力的な対応を阻害し、
結果としてユーザ便益・利便性を損なうことに繋がる」

…企業としてのコメントであれば、少しでも定量的な内容が欲しいところです。

ちなみに、パブリックコメント中ではソネットが一番良かったように感じました。
■ソネット株式会社
http://www.soumu.go.jp/main_content/000078069.pdf

自前で電力系アクセスを持つKDDIは、それを踏まえた冷静な意見。
■KDDI株式会社
http://www.soumu.go.jp/main_content/000078097.pdf

そういえば意外にも、
「ビジネスホンの更新コストがかかるから、個々の企業の都合に合わせるべきだ」
という意見も散見されました。
この辺りは、変換アダプタを配布するなどでも十分に対応出来るでしょうし、
ちょっと「光の道」の趣旨から考えると局所的過ぎる捉え方では?と感じてしまいました。

個人向けで判りやすい事例に例えたら、
テレビを買い替えなくては行けないからといって、
地デジ普及を個人の都合に合わせて進めますか?という感じでしょうか。

しかし、こうやって色々な意見を拝見すると、自分の意見が深まって良いですね。
今後、どう進んで行くかも注視して行きたいと思います。

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