ICTエンジニアとして、いまできること。

東北関東大震災から、今日で一週間。

被災された方は、いまも、地獄のような時間を送っているのだと思います。
「現地へ赴いて、少しでも復旧の手助けになりたい!」という気持ちは強くありますが、
寒さに弱く、被災時における特殊技術を持たない私は、現地では足手まといでしょう。

一人の社会人としては、募金、買い占めしない、経済を回すなどの形で支援を進めていますが、
一人のICTエンジニアとして、いま、何が出来るのか?
…自問自答した中で、まずは以下をやることにしました。

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1.緊急通信手段として、Twitterやmixi,Facebookなどの使い方を伝える 【家族・友人向け】

地震発生時、関東地方の電話やSMSは、電話会社問わず殆ど使えない状況に陥りました。
その中で、Twitterを始めとしたソーシャルネットワークサービスは、安定して情報共有が出来ていました。
私は先日、静岡県にて震度6強を観測した際に色々な手法を実践したのですが、
家族の無事を最初に確認出来たのはTwitter経由でした。
もちろん、完全に通信ケーブル断や大規模停電となってしまえば使えない可能性はありますが、
Twitterなどでお互いが安否の不安を解消することが出来れば、
本当に救急で必要としている方が、電話を使用出来る可能性は上がります。
間接的に、人の命を救うことになるかもしれません。
普段は説明しても「インターネットはよくわからないから…」という家族も、
自分自身が危険を感じている今ならば、必死で覚えてもらえるはずです。
Twitterで連絡を取る方法なども、紹介され始めています。
是非、少しでも多くの家族・友人へ伝えてみて下さい。
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20110317/E1300308873900.html

2.クラウド系サービスの利用を拡げる 【法人向け】

被災したエリアに対して、迅速に業務システムを立ち上げる方法としてのクラウド、
今後の災害対策として、事業継続性を高める方法としてのクラウド利用を拡げること。
実際、世界に分散しているクラウド系サービス、TwitterやFacebook,Googleなどは、
今回の震災において一切の影響を感じさせませんでした。
国内のクラウド系サービスも、一部において多少レスポンスの低下はあったようですが、
サービスが停止するような事態はなかったと認識しています。
自社内にサーバ等の機器を持って業務システムを利用している場合、
もし被災によってシステムが破壊されてしまったら、
建物、電気・ガス・水道が復旧しても、直ぐに業務を始めることが出来なくなります。
これは、会社(法人)の死に繋がる致命的な一撃になります。
私が一番危惧しているのは、
「被災から復旧したものの、会社が倒産し、失業した」
という流れが増えてしまうことで、自ら命を落とす方が増えることです。
日本では、”失業率”と”自殺率”が連動しやすいという特性があります。
(反面、社会保障が充実しているスウェーデン等では連動性は少ない)
下記のデータでは、月次の連動性が顕著に読み取れると思います。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2740.html

「被災したけど、復旧した!でも仕事を失った」
…となれば、絶望感から”自殺”という選択がされてしまう可能性は、否定出来ません。
復旧した時に、法人を死なせないために、
ICTエンジニアとして出来ることの一つだと考えています。

3.生き抜くための電気・電子基礎技術を身につける 【自分向け】

いま、買い占めが起こってしまっているような物品を「つくる」技術を身につけておく。
これが出来れば、避難生活において多くの人に役立てる可能性があります。
例えば、以下のような技術です。
・「電池が無い」に対して、簡易的な発電機、充電器を作る技術
→身近なモノでは、自転車の発電機などから電気を取り出すことが出来ます。
 ラジカセを分解して、ダイオードなどを組み合わせて充電することも可能です。
・「情報が無い」に対して、ラジオを作り出す技術
→緊急時において、周波数の低いラジオは遠くまで情報を伝える手段として大きな意味を持ちます。
 意外と知られていませんが、AMラジオは電源が無くても聴くことは出来ます。(wikipedia:鉱石ラジオ参照)
もちろん、被災した状況下で出来ること・出来ないことはあるでしょうが、
身に付けていれば、その技術が自分を助けたり、人を助けられる可能性はあると思います。
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私の知る限り、ICTエンジニアで、肉体労働向け体力(体格)を持っている方は少ないです。
それでも、誰かの力になりたいと想っている方は、沢山いるはずです。

そんな想いを抱えた方の、参考になれば幸いです。

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