「揚力発電」の発電力が失われる理由は、すべて関電の資料が教えてくれる

池田信夫さんの記事。
原発が動かなかったら関西は大停電になった
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51804741.html

この内容については理屈が通っていると感じたので、補足。
よく、
「原発を動かさなかった場合のピーク供給力は、単純に原発の発電力をマイナスすれば良い」
と考えがちだけれど、それは違う。
もともと原発の電力を蓄えておく思想で設計されている、
”揚水発電”分の発電力が失われる可能性が高いことを、考慮しなくてはならない。
今回、関西電力の公表値で言えば、失われる発電量は225万kW。
原発2~3機分相当。
これでは、確かに「大停電になった」としてもおかしくない。
さて、関西電力の公表資料を見てみる。
2012年5月19日 今夏の需給見通しと節電のお願いについて
http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/pdf/0519_1j_01.pdf

2012年7月27日 今夏の需給見通しと節電のお願いについて
http://www.kepco.co.jp/pressre/2012/__icsFiles/afieldfile/2012/07/27/0727_3j_01.pdf

7/27時点の資料番号7の数値だけをみて、
「関西電力が5/19時点で揚水の発電量を低く見積もっていた、詐欺だ!」
と騒ぐのは、明らかに筋違い。
5/19時点の資料番号6にて、
揚水発電が少なくなっている理由を、きちんと説明しているのだから。
結局、揚水発電は”大きな蓄電池”のようなもので、
1.原発が稼働することで、日中に揚水発電を使う時間が少なくなった
2.このため、揚水(下に落ちた水をポンプアップ=充電)が満水位まで出来るようになった
3.揚水発電量が大きくなった
というのが現在の状況、ということ。
いま が無くなったら 未来 も無いのだから、
いま を必死に支えようとしている人たちを批判するのならば、
しっかりと主張を確認した上で、批判すべきではなかろうか。

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