会社員が心の調子を崩しやすい時期 ワースト3

産業カウンセラーとしての活動が、残念ながら忙しくなる時期があります。

※そもそも「産業カウンセラーって、何している人?」はこちらが分かりやすいので、是非ご一読を。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20111222/225559/?rt=nocnt

「心の問題って、個人個人の問題だから時期なんて関係ないでしょ?」

と、サラッと言われてしまうこともあるのですが、そんなことはありません。

急な温度変化や、とても暑い日・寒い日が続くことで体の調子を崩すのと同様、
急な環境変化や、とても仕事が多い・ノルマがキツイなどで心の調子を崩すのは、
会社の年間カレンダーと連動することが多いのが現実です。

【ワースト3位】 5月GW明け〜6月下旬にかけて

4月、どこの会社も環境の変化が起こりやすいですが、
5月のGWまでは気を張り詰めて心を持たせていたけれど、
GW明けて、一気に張り詰めた心が切れてしまうタイプ。

この時期は有名で、一般的に「5月病」と言われるものですね。
6月も祝日がないため、長引くケースも結構あります。

原因には大きく分けて2パターンあり、
心の疲れのケースは、傾聴を繰り返して心の安定をサポートすることで、
だいたい7月に入るまでには回復するケースが多いです。
(次の休みが見えてくるのも大きいですね)

難しいのは、組織そのものに不安・不満があるケースで、
これは傾聴を繰り返しても改善するケースは少なく、
キャリアカウンセリング的アプローチを行う必要があります。

この組織に関連する問題を解決できるケースは多くなく、
クライアント周辺の人とも能動的に関わる必要があったりと、
会社内において最も難しいカウンセリングの一つです。
必ずしも会社の利益に結びつかないところもあり、正否の難しい対応になります。

【ワースト2】 8月下旬〜10月初旬にかけて

ここは意外に知られていないですが、夏休み明け〜半期〆の9月末まで。

ただ、いまは9月にシルバーウィークを挟むようになったので、
昔に比べると少し落ち着くようになった気がしますが、
9月の半期決算に向けて数字を詰められる仕事の場合、土日祝日も十分に休めず、
心の疲労が体に出てきてしまい、回復できなくなるケースが多くなってきます。

結果として大きく心と体の調子を崩してしまい、
産業医・心療内科の医師と連携し、薬を併用しながら回復を目指すことになりがち。
個人としても・組織としても、誰も嬉しくない状況に陥ります。

この時期は5月と比べ、組織に関する不安・不満などは少なく、
圧倒的に心や体の疲労から不調に至るケースが多いので、
管理職や周りのメンバーが、互いの調子を気遣い、予防することが最も有効な対応と言えます。

大きな風邪をひく前に、早めに休むようにするのと同じく、
心の調子を大きく崩す前に、不満を吐き出す(カタルシス効果を得られる)場をつくるのが、重要ですね。

【ワースト1】 2月下旬〜3月末にかけて

ここは完全に「年度末」ですね。
ほとんどが圧倒的な業務量・ノルマに起因することが殆どですが、
昇進、異動など、自分の希望が通るか否かの不安要素を含む複合ケースもあります。

他のケースと比べ、管理職自体も余裕が無くなっているケースが多いので、
クライアントだけを見るのではなく、組織全体を観た上で対応する必要があり、
手法そのものの難しさより、クライアントやそのマネジャーにどう時間をつくってもらい、
孤独に悩まないようにすることが出来るか?というアプローチが重要になってきます。

…以上、ワースト3ですが、実は来週から、まさに ワースト2 な時期であります。

心も体も、不調は早期発見が大切。
是非、休み明けの部下や同僚への声がけを忘れずに!

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